一見、冷えとは関係ないと思われる目や耳の不調ですが、毛細血管が多い部位であり、特に血流をよくしたいところです。温めて、また肝、腎を整えることが根本治療につながります。
耳鳴り
耳鳴りは、感覚細胞の障害により、音が入らないのに感覚細胞が刺激され、電気信号が神経へ伝わるために生じると考えられています。原因としては、ストレス、冷え、コリによる血液の流れの低下、腎虚による水分代謝の低下があげられます。慢性化すると治りにくいので、早めに治すほうがいいでしょう。漢方では、血流の改善と腎を補うことで水分代謝を整えていきます。
〈コラム〉突然襲われた「耳鳴り」「難聴」と「めまい」を漢方で改善
難聴
外耳道や中耳の異常によって起きる伝音難聴と、中耳や聴神経系の異常によって起きる感音難聴の2つに分類されます。漢方では、血流の改善と補腎をしていきます。
疲れ目
目が疲れてくると、目のまわりの筋肉が緊張状態になってきます。パソコンやスマホで長時間同じ姿勢で画面を見ていると、それ以外の距離に合わせようとしても合いにくくなり、遠くがぼやけた感じになります。また、メガネやコンタクトレンズが合ってなかったり、40~50代で老眼が始まった人も、無意識に目を酷使するために目の筋肉が疲れやすくなります。 筋肉の疲れは筋肉が血行不良になっている状態なので、日頃から冷え性で血行不良があると、疲れ目になりやすいといえます。
目を酷使すると、首や肩などの筋肉や神経に負担をかけるために、肩も凝りやすくなります。
近視
パソコンやスマホで長時間同じ姿勢で画面を見ていると、それ以外の距離に合わせようとしても合いにくくなり、遠くがぼやけた感じになります。目の筋肉が血行不良になっている状態です。長時間、毛様体筋を緊張させたままにすると、肩こりなどで筋肉が固くなるように、近くを長時間じっと見つめると毛様体筋が緊張したままになり、それを繰り返すと近視が進行しやすくなってしまいます.近視は、日常の生活習慣を見直し、目の周りを温めたり筋肉をほぐすようにして進行をふせぎましょう。
老眼
加齢により毛様体自体の筋力が衰えたり、水晶体の弾力性が低下すると、毛様体筋が水晶体の厚さを調整しようとしても、なかなかできないために、近くにピントが合わなくなります。この症状が老眼。毛様体の筋力の衰えの原因は老化によるところが大きいのですが、筋肉の血行不良も筋力を衰えさせます。
一般的に老眼は近くが見えづらくなる症状と思われていますが、実際には水晶体の弾力性が低下しているためピントが合う範囲自体が狭くなっています。近くだけでなく、調節が必要となる範囲全体が見づらくなります。
ドライアイ
一般的にドライアイは、環境の影響が大きいと考えられています。冷暖房完備の室内は乾燥しており、パソコンやテレビ、ケータイ画面などのモニターを見続けていると、まばたきの回数が減り涙が減少するので、目が乾きやすくなります。また、涙の分泌は副交感神経の支配を受けているので、緊張時には交感神経優位になり、涙は減少してきます。冷え性の身体も交感神経優位状態になっているので、ドライアイになりやすいといえます。
飛蚊症
目の前を小さな浮遊物が飛んでいるように見える症状で、邪魔と思っても消えてくれません。加齢や眼病が原因とされており、活性酸素による硝子体の組織の変質です。加齢とともに活性酸素を分解する酵素は減少しますし、また、緊張や冷えの状態が続くと、交感神経が優位になり、活性酸素が発生しやすくなります。予防は過度なストレスを避けて冷えを改善し、酵素の多い自然の食を食べるように心がけることでしょう。身体を酸化から守りましょう。
緑内障
視野が狭くなり失明に至る危険のある病気で、始めは自覚症状が全くないのですが、40才以上の5%の人にみられるといわれています。眼圧が高いタイプは眼圧検査で見つかりやすいのですが、正常眼圧タイプは発見が遅れがちで、冷え性の人に多くみられます。
現代医療では、眼圧を下げることで、進行を防止したり遅らせており、正常眼圧緑内障でさえも、眼圧をさらに下げることで進行を遅らせています。ひとたび障害されてしまった視神経は、回復することはありませんので、早期発見して進行を予防するのが最善方法です。