妊娠できる身体とは2017/9/10更新
妊娠する為には、
①卵子や精子の質と量が合格ラインに達していること。
②出会うための通路である卵管や頸管が調っていること。
③受精後、子宮に着床できることが必要です。
どこか一ヶ所でも不具合があると妊娠に結びつきません。
冷え性を放置していると、ホルモンの伝達が悪くなるため
妊娠するためのホルモンの力が低下して、子宮や卵巣の働きも低下してきます。
子宮内膜が厚くならない、頸管粘液の分泌低下、排卵が上手くいかないなど、
上記①②③への影響がでてきます。
また冷えは「瘀血」といって血液の滞りを作ることからも、
赤ちゃんを育む子宮を居心地の悪いベッドのようにさせてしまいます。
その結果せっかく受精しても着床できない(上記③への影響)ということにもなります。
「冷え性」改善は、妊娠できる身体作りの最初の一歩といってもいいでしょう。
ところで日本人女性の平均体温は、30年前には36.5℃でした。
しかし現在では35.5℃といわれ、1℃も体温が低下しています。
冷え性女性が増えたことが(男性冷え性も増えていますが)、
不妊でお悩みのカップルが増えたことの大きな原因になっていないでしょうか。
まず冷え性を治して、骨盤内にしっかり血液を巡らせる事で、妊娠できる場合も多くあります。
不妊状態の3つのタイプ
気血の量が不足しているタイプ(血虚タイプの冷え性)
・低温期が長い ・生理の後半に生理痛 ・月経周期が長い
・経血量が少ない・子宮内膜がうすい
(身体がだるい、疲れやすい、立ちくらみ、不眠、肌がカサつく、身体が冷えるなどのタイプが多い)
↓ ↓
漢方薬で「気」と「血」を補い体内の血液量を充実させて栄養面を整えます。
気血の巡りが停滞しているタイプ(瘀血タイプの冷え性)
・生理周期は前後不定 ・経血にレバー状の塊 ・生理痛がある
・生理前にイライラしたり落ち込む ・生理のキレが悪い
(頭痛、感情の起伏が激しい、便秘、お腹が張る、身体の部分冷えなどのタイプが多い)
↓ ↓
骨盤内の血の滞りを改善するために、冷え性改善から、
さらに「瘀血」を改善する漢方で改善します。
腎精不足タイプ(腎虚タイプの冷え性)
・無月経、無排卵月経 ・黄体機能不全 ・高温気が短い
・卵子の質が悪い ・ホルモンの量が不足
(耳鳴り、貧血、体力がない、疲れやすい、身体が冷えるなどのタイプが多い)
↓ ↓
腎精の不足は、生殖やホルモン系をつかさどる「腎」の機能が低下した状態で、
弱くなった生命力の根源を補強する「補腎薬」で力をつけます。
妊娠に向けての身体作り
ステップ1「冷え性改善」
骨盤内の冷えを改善して血液の質と巡りを良くします。
月経血を確保して子宮内膜の質を高め、赤ちゃんが育つための栄養を与えます。
子宮にたまった老廃物を運び去るためにも、冷え性改善は欠かせません。
元気な卵子・基礎体温の安定・着床しやすい土壌・体の冷えなど
妊娠成立から出産そして産後の授乳に至るまで、欠かすことのできない条件です。
ステップ2「ホルモン力」
「ホルモン力」は、卵胞の成熟・黄体期の維持・着床や妊娠・胎児の発育など、
妊娠の全期間にわたり影響します。
漢方では「腎精」といい、ホルモン分泌、生命維持、生殖活動と、身体の根本(生命エネルギー)に関わります。
成長・発育・老化も、すべて「腎精」が関わっており、
「二人目不妊」や「卵子や体の老化」からの不妊状態は、「腎精」を整えることが必要になります。
ステップ3「着床力」
妊娠初期に「着床」を維持するために必要な力があります。
漢方では「脾」といい、カラダの状態を安定維持する働きです。
多くの方は、ふだんの生活の中で意識することがないため、
妊娠反応が確認された場合、漢方での流産予防をされて初めて意識されることも多いでしょう。
原因不明の流産を繰り返す場合、子宮環境が整い、元気な授精卵があっても、
「着床」を維持するための力が不足していると、妊娠は途絶えてしまうことになりかねません。
吉兆堂薬局では、じっくりご相談いただいたうえで、
お客様に適した漢方薬と養生法をアドバイスさせていただいております。