婦人科系のお悩みと「下腹部の冷え」との深い関わり | 冷え性漢方の吉兆堂薬局

婦人科系のお悩みと「下腹部の冷え」との深い関わり2021/11/01更新

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生理痛や生理不順、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫など、女性にとっては厄介な婦人科系のお悩み。このような婦人科系のお悩みは、女性に多い「冷え性」と深く関わっていることをご存知でしょうか。特に下腹部の冷えは、子宮や卵巣に直接悪影響を与え、婦人科疾患の原因になっています。

「冷え」は内臓機能を低下させる

下腹部には、子宮や卵巣、腎臓や膀胱、小腸や大腸など身体にとって重要な臓器が揃っています。その部分が冷えて血の巡りが悪くなると、それらの内臓機能が低下しやすくなり、特に女性の場合は、婦人科系の臓器が弱りやすくなります。

婦人科疾患は、瘀血(おけつ)も関係する

婦人科疾患は、冷え以外にも「瘀血」(おけつ)が関わりあっていることが多いものです。「瘀血」(おけつ)とは血の滞りのことで、毎月の生理で定期的に子宮に血液が集まり、出血という形で排泄がなされていますが、その流れがスムーズにいかずに子宮内膜や卵巣に余分な血液が溜まってしまうと、それが「瘀血」になります。子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢腫などは「瘀血」が深く関係しています。

「冷え」と「瘀血(おけつ)」があると、根深い冷え性になりやすい

このような「瘀血」が作られる原因としては、冷えやストレス、食事の偏りなどがあげられます。下腹部が冷えていると、生理時の排泄が十分されにくくなりしますし、ストレスで交感神経が強く働き血管がギュッとしめられると、冷えると同時にに生理時の排泄が不十分になり、瘀血が作られやすくなります。また、肉食や炭水化物過多の食事をしていると、血液をドロドロにさせ瘀血を作りやすくします。
 
「瘀血」は循環を悪くさせるため、冷たい部分と熱い部分が生じやすくなります。冷たい部分はますます冷えるようになり、一方で火照りを感じるようにもなり、人によっては根深い冷え性になりやすいので要注意です。

婦人科疾患と「冷え」「瘀血」との関わり

生理痛

女性の身体は毎月出産に備えて、子宮の内膜を厚くして準備をしています。生理は不要になった子宮内膜の脱落で、十分に厚くなっていれば自然に排泄されていきます。ところが、冷えて血流が悪くなり子宮に酸素や栄養が十分に行き渡らないと、内膜の状態が不十分なまま生理を迎えることになります。そうなるとスムーズに排泄しないので、子宮を強く収縮させて排泄しようとします。それが生理痛の痛みとなって現れます。

生理不順

生理の周期は女性ホルモンでバランスをとっていますが、このホルモンは卵巣や脳から分泌されています。冷えて毛細血管の血流が低下すると、卵巣でのホルモン分泌、また、ホルモンの伝達低下にもつながることになります。

子宮筋腫

子宮の筋肉に発生する良性の腫瘍で、筋肉が硬くなった”しこり”のようなものです。東洋医学では、血の滞りである「瘀血」が原因と考えられています。下腹部が冷えて血の巡りが悪くなると、血が滞りやすくなり、更に筋肉も硬くなるので、筋腫ができやすいといえます。

子宮内膜症・卵巣嚢腫

毎月の生理は子宮の内側にある内膜で増殖と剥離を繰り返していますが、それが子宮筋層や卵巣などの子宮内膜以外でされてしまうのが「子宮内膜症」。卵巣に液体や脂肪が溜まってしまう柔らかい腫瘍を「卵巣嚢腫」といいます。
冷えや瘀血があると、子宮や卵巣の働きが低下して老廃物も溜まりやすくなります。代謝が悪くなり余分な水や老廃物が溜まってしまうと、腫れも生じやすくなります。

40~50代以降の体調不良について

閉経を迎える50歳前後、毎月の生理の煩わしさから解放され、ホッとできるものの、汗かき・ほてり・のぼせ・めまい・頻尿・しびれ・うつ・イライラなど、さまざまな体調不良も増えるようになります。

冷え性だと更年期の不調が強くでる?

特に、若い頃から冷え性だった人は、長年の冷えによる巡りの悪さに加え、女性ホルモンの低下からくる血液の粘つきと潤いの低下により、身体がガチガチで巡りの悪い身体になりがちです。
 
この根深い冷え性体質のために、さまざまな体調不良が現れ、めまいやシビレ、疲れがとれない、うつやイライラなどが生じるようになります。

下腹部が冷えていると、異常なほど汗かきになることも

人によっては、身体の中で熱い部分と冷たい部分が極端に現れるようになり、下腹部から下半身はすごく冷えるのに、上半身は暑い状態になります。そうなると「異常なのぼせ」や「火照り」「異常な汗かき」が生じる一方で、「下腹部が冷たい」「下半身が異常に冷える」という、一見正反対の症状が同時に現れるようになります。

下腹部の冷えは実感が乏しいために、悪化させやすい

このタイプの方が厄介なのは、身体の中で、冷えと熱が混在するため、冷え性の自覚がなく、冷たい飲食や露出の多い衣服、エアコンなどで、冷え性を悪化させてしまうこと。「胃」に熱を持っていることが多いために、冷たい飲食を好みがちということもあります。しかし、このような生活習慣がますます下腹部の冷えを増強させ、体調不良も悪化させることになります。

ホルモン治療が身体に合わないケースについて

病院では婦人科疾患や更年期の不調に対して、よくホルモン治療が行われています。女性ホルモンには血液をきれいにしたり身体に潤いを与える働きなどがあるため、加齢による女性ホルモンの減少は、体調不良の原因になるという理由からです。
 
ところが、ホルモン治療で体調を崩してしまう方も、実は、少なからずいらっしゃいます。薬として外部から与えるホルモン剤は、血液を粘つかせ血栓症などの副作用があるために使用制限がありますが、西洋医学では、冷え性とか瘀血(おけつ)という概念がないために、このような体質の人は、ホルモン剤の副作用が強くでてしまう可能性があるからです。
 
更年期を迎えても全く不調がでなくて元気な人は大勢いらっしゃいます。そのような健康な身体になるために、先ずは、冷え性を改善しながら血液をきれいにし、循環機能を整えることが大切だといえるでしょう。

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執筆・監修者紹介

2016-01-11 13.26.37
薬剤師 大林多津子(おおばやしたづこ)
名古屋市立大学薬学部卒業。病院薬局に勤務後、大林薬局を経て、漢方専門の吉兆堂薬局へ。子育て中に、子供が先天性心疾患の大手術、気管支炎、肺炎、難病の皮膚病を繰り返し、何とか虚弱体質を治したいと漢方に取り組む。そこで漢方によって子供が健康になっていく体験を積み重ね、本当に良い漢方は確かな手応えがある、という確信を持つに至る。漢方で体質改善をされ健康な日々を過ごしていただきたい、という想いで日々努めている。

 


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