冷えは婦人病の大敵2017/9/18更新
最近の女性は身体の内が冷えていて、体温も35度台の方が増えています。
身体の内が冷えると、婦人病などさまざまな体調不良を起こしやすくなります。
特に「むくみ」「めまい」「汗かき」のお悩みは、実は大半が「冷え性」と関わっています。
しかし、冷えている自覚がないことも多く、気づかない間に「冷え」を進行させて
しまっているので要注意と言えます。
骨盤内の冷え
自分の手でお腹を触ってみてください。
冷たいと感じたら、その辺りに血液が充分巡ってないということになります。
女性の身体にとって大事な子宮や卵巣に、
栄養や酸素、免疫物質が十分に行き渡ってないということになるので、
さまざまな女性特有の病気を引き起こし易くなります。
冷えは、東洋医学でいうところの、瘀血(血液ドロドロ)や腎虚(女性ホルモンの低下)と
密接に関わっています。
「冷え」は血液を滞らせ、卵巣からのエストロゲンの分泌低下に影響を及ぼしてしまうのです。
その結果、婦人病や不妊など、さまざまな体調不良を引き起こしますので、
早い段階で「冷え」に気づき、身体の改善に取り組んでいきましょう。
生理痛
女性の身体は毎月出産に備えて、子宮の内膜を厚くして準備をしています。
生理は不要になった子宮内膜の脱落です。
冷えて血流が悪くなり、子宮に酸素や栄養が十分に行き渡らなくなると、
子宮内膜が十分に厚くなりません。
それで生理の時は、子宮を強く収縮させて排出させようとします。
これが生理痛の正体です。
鎮痛剤は痛みを麻痺させるもので、生理痛の原因を解決してくれるものではありません。
むしろ子宮内膜の排泄を妨げ瘀血を作りますので、安易な使用は控えましょう。
漢方で身体の内から温めたり、カイロで外から温めるだけでも、生理痛は緩和されるものです。
生理不順
生理の周期は女性ホルモンの働きでバランスをとっており、
ホルモンは卵巣や黄体、脳から分泌されている微量な活性物質です。
冷えて血液が必要な部分に行き渡らなくなると、ホルモンが必要な場所で働けなくなるので、
その結果、周期が乱れるなどの生理不順となって現れます。
不正出血
子宮筋腫、子宮がん、卵巣嚢腫、子宮内膜症、性交時の裂傷からくる器質性出血と、
ホルモンバランスの乱れからくるからくる機能性出血があります。
東洋医学では気血のバランスで原因を捉えます。
「気虚」「瘀血」「血熱」がなどから生じるとされています。
子宮筋腫
子宮の筋肉に発生する良性の腫瘍で下腹部の冷えから血行不良を起こし、
筋肉が硬くなった状態です。
東洋医学では「瘀血」が原因と考えられており、長年の冷えからきていることが多いものです。
漢方で瘀血をとりながら、お腹を温めるようにしましょう。
子宮内膜症
子宮の内側にある子宮内膜(毎月増殖と剥離を繰り返して月経になる)が
子宮筋層、卵巣など子宮の内側以外にできる症状です。
原因はよくわかっていませんが、女性ホルモンのバランスの崩れともいわれています。
冷えや血液の滞り(瘀血)があると、細胞への栄養と酸素、老廃物と二酸化炭素の受け渡しが
スムーズにできなくなるので、子宮本来の働きができなくなったともいえます。
子宮腺筋症
子宮内膜が子宮筋層にできてしまったのをいいます。
ひどい月経痛や月経過多がみられるようになります。
卵巣嚢腫
卵巣のなかに、液体成分がたまって腫れている状態の嚢胞性腫瘍です。
良性の腫瘍で、始めの頃は自覚症状がありません。
冷えから血液の滞り(瘀血)を作り、水分代謝が悪くなり、
卵巣に腫れと水がたまった結果ともいえます。
不妊
妊娠する為には、卵子や精子の質と量が合格ラインに達していること。
出会うための通路である卵管や頸管が調っていること。
受精後、子宮に着床できることが必要です。
どこか一ヶ所でも不具合があると妊娠に結びつきません。
冷え性を放置していると、妊娠するためのホルモンの力が低下して、
子宮や卵巣の働きが低下してきます。
例えば卵巣からはエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌されていますが、
働きが低下すると、子宮内膜が厚くならない、頸管粘液の分泌低下、
排卵が上手くいかないなどの影響がでてきます。
また冷えていると、赤ちゃんを育む子宮が居心地の悪いベッドのようになってしまい、
せっかく受精しても着床できないことになってしまいます。
冷え性改善は、妊娠できる身体作りの最初の一歩といってもいいでしょう。